日   程
 月 日(曜日)  天 気  行 動 概 略
 2月10日(金)    一ノ宮運動公園着   0:40(1:45就寝)
 2月11日(土)    起     床  5:40( 6:50発) 

ヤカタガウド着  7:15( 7:30発)    稜   線 12:50
山  頂  着 13:05(13:15発)    日の尾峠着 14:30(14:50発)
北 九 州 着   20:00

 今回も天気に恵まれた。お陰で、朝は九州とは思えない厳寒を体験した。ヤカタガウドに向かう途中の道から見上げる阿蘇(高岳)の雄姿に、九州の山とは思えない迫力を感じた。朝日を浴びて、雪をまとった岩峰を見上げると、九州にも圧倒的な存在感を誇る山があることを忘れていたことに、気づかされる。 ヤカタガウドを出発して、小一時間。上着を脱ぐ気になれない。張りつめた寒さだ。その反証として、山は快晴に一段と迫力を増している。本当に千載一遇の機会に、必要以上にシャッターを押してしまった。
 
厳寒の朝に高岳を望む!最高の迫力である 空気は張りつめて九州とは思えない
ツベツキ谷に向かうコンクリートの作業道を歩いて行った。途中、尾根筋に向かって行ってしまったが、コースは谷筋を忠実に辿って行くだけだ。約1時間で、自然と谷合に入って行くが思ったほど雪がない。そして、沢沿いも思ったほど凍っていなかった。前日は午後から雪が降って、テントを張った駐車場の周りにもうっすらと雪が残っていたのに、予想外の展開だった。去年の記録を参考にして来たのに拍子抜けだった。
   
 氷結が期待できるのは、谷筋に入った最初の何カ所かの滝だけだ。上部へ行ってしまうと雪の急斜面をラッセルするか、蹴込んで一気に高度を稼いで行くかである。赤谷のような岩場だけの沢にアイスクライミングを期待するのは、無理そうだ。雪混じりの高巻きが何回と続く。途中、大滝と思しき断崖を過ぎてからは、木登りみたいな高巻きで終始してしまった。その結果、本来の沢筋から離れてしまったが、高度を稼いだところで、眼前に見える北尾根を目指して、トラバースが続く。藪が少ないので、「冬の藪漕ぎ」は大して苦にならない。
 
ソーメンのような滝に期待を裏切られる
  
 
沢沿いの泥壁を高巻く 冬ならば出来る事である
  
微妙なバランスの高巻きが続く
 

両手両足を使って高巻く
 
 
 10時過ぎ頃から、標高1400mを過ぎた頃から、やっと谷筋上部に降り立った。足元は雪に覆われている。藪も灌木もない。そしてまだ、午前中の日陰に覆われているので、少し寒く動きやすい。蹴込むたびに、高度が上がって行く。ラッセルなど何もない。滝も既に無い。ドン詰まりの岩の狭まった個所がゴールだ。やっと、谷筋を抜けて縦走路が目前だ。最後のブッシュを雪に見舞われながら、漕いだ。陽が射して、雪が木々から降ってくる。首筋にも入り込んでくるが、やっと北尾根の縦走路に出た。
   
雪の少ない沢沿いに降り立つ
 
 
標高1400m付近から振返る 雪混りのブッシュの藪コギ
 
 
高巻から解放され本来の雪稜登高したいが去年に比べると雪が少ない
 
後ろは龍尾根だ
 
11時を過ぎても日が射さない 荒涼とした沢筋も終了間際である
   
 
 
1400m以上になると、沢筋をキックステップで上を目指し高度を稼ぐ
   
   
 
 5時間では着かなかったが、それなりに満足感はあった。天気も、景色も最高で静かな山行ができたことで十分だ。山頂で福岡から来ていた単独の男性登山者に、登頂写真を撮ってもらった。偶然の出会いだが、この人も「日の尾峠」に駐車しており、お陰で同じ道を下って帰ってきたことから、ヤカタガウドまで車に便乗させもらい、帰りの移動時間を短縮できたのも、結果的に最後の幸運だった。
「日の尾峠」に向かう登山道の途中から、ツベツキ谷を覗くことができる。急な細い雪壁が、薄暗い崖下に見ることが出来る。やはり、冬の寒さの厳しい季節にしかできない山行である。
   
 
高岳山頂にて
 Reported by K.Mizoo  Photo presented by K.Mizoo & S.Okamura