今年の冬季山行は明神岳東稜を予定していたが、天候悪化が予報されたため、上高地より中尾根経由で西穂高岳へ望んだ。

28日 夜行バスを利用し名古屋へ
29日 名古屋駅で高速バスに乗り換え高山バスセンターへ向かった。 今年は、昨年とは様変わりで高山の町も一面雪景色である。
  
JR高山駅前
 
上高地に至る釜トンネル
高山から平湯を経由して中ノ湯バス停で下車、登山届を提出後13:25出発。釜トンネルを抜け大正池付近では、穂高の稜線が望めた。
 
大正池付近にて
 
大正池と穂高を望む
気温は高いようで、木に積もった雪がぽつぽつと雨のように落ちてくる。田代橋を渡り、西穂高岳登山口を少し登ったところで16時となったのでビバーク。
 
田代橋
 
西穂高岳登山口
30日 弱いみぞれの降る中、7:15に出発。トレースあり、先行パーティが入っているようであった。10:40頃に東京の山岳会の男女8人の先行パーティに追いつき、ラッセルを交替。傾斜が強いところは腰ほどの積雪があり、先頭に立つとトレースもなくテープをたよりに進む。2000m付近からは雪となり、西穂山荘までラッセルが続き、到着したのが13:00頃となった。
 
10:40頃先行パーティに追い付く
 
先行パーティの面々
 
西穂山荘手前
 
西穂山荘到着
 
テント場設営風景
早速テントを設営、持参した焼酎に舌鼓を打ちながらテントでのひと時を楽しんだ。
31日 今日は天候が回復しそうにないため、西穂独標を目指すことにした。夜通し降り続いた雪でテントが埋まり、居住スペースが三分の二ほどになる状況のため、出発前に雪かきを行う。山荘の入り口に設置してある温度計でマイナス10℃を表示していた。7:30頃にテン場を出発。飛騨越しの風が強く、途中女性を伴ったパーティは、稜線をコンティニュアスで行動していた。丸山を過ぎ気が付くと我々二人だけとなった。
 
 
強風の稜線

後方西穂山荘
   飛騨越しの風がさらに強く歩くのがやっとで、高度が上がるのと共に気温は下がり、状況も非常に悪いため、独標付近で写真を撮り引き返した。稜線は場所によっては、いわゆるホワイトアウト状態で方向を見失うほど視界もきかなくなる。寒さのためデジカメもすぐに撮れなくなってしまった。昼前に西穂山荘に戻ることができたため、早々にテントを撤収して下山することにした。その後も徐々に気温が下がり、冬型が強くなりつつあることを実感した。
 
西穂山荘前に到着
 
ロープウェイへ下山
 新穂高ロープウェイ駅に下山するとき、西穂山荘で年越しを過ごすと思われる登山客数十人とすれ違ったが、天候が冬型に向かう状況のなか、大丈夫なのかなと感じながら下山した。今回は、昨年正月の槍ヶ岳とは一転して、悪条件の中での山行だったが、安全第一でそれなりの冬山を満喫することができた。
 Reported by S.Okamura  Photo presented by S.Okamura & Y.Atarasi