昨年の5月は、天候が思わしくなかったため、鹿児島県の山に転身したが、今年の連休後半の天候は、まずまずのようであったため、穂高に入山することとした。メンバー高齢となったため、天候と諸条件を見極め行動するようにしている。
 2日 仕事を終え、新幹線で新大阪へ。20時発の高速バス(さわやか信州号)で乗り継ぎ一路上高地へ向かった。
 3日 朝6時前到着、快晴で穂高連峰の山々がまぶしい。朝食をとった後、バスセンター一角の手荷物預かり所に着替え等を預けて、7時出発。明神岳を左手に眺めながら、すがすがしい登山道を明神へ。徳沢から横尾の途中ところどころ残雪があり今年の雪の多さがうかがわれる。 
  
上高地より穂高を望む                   横尾への登山道の残雪
 
徳沢園                         横尾山荘
  横尾から左手に屏風岩を見ながら涸沢へ向う、少ししてすぐに雪道となり黙々と涸沢を目指した。
 
涸沢を目指す登山者の列                前方右のピーク、前穂高岳を望む
 
左手に涸沢ヒュッテ                     涸沢ヒュッテ前よりテン場と涸沢小屋
 涸沢へ14時30分到着、例年どおり多くのテントが張られている。我々もテント設営。通常であれば水が出ているが、今年は積雪が多いため水は出ていないとの情報を得ていたため各自横尾より1ℓ~2ℓの水をかつぎあげ、後は雪を溶かして使用した。
 
4日 涸沢出発                        ザイティングラードの登り
 4日 天候は晴れ、しかし昼前から天候がやや崩れる予報積雪も多いため当初の予定では、前穂北尾根3・4のコル経由で前穂高岳を目指す予定であったがあきらめ、今日はザイティングラード経由で奥穂高岳を目指すこととした。快晴の中ザイティングラードの斜面を一歩づつ登って行った。気がつくと登山者が数珠つなぎ状態、いつもの5月の風景である。穂高岳山荘に着いたころより予報通り雲が出てきて視界も悪くなっていた。
 
穂高岳山荘                           穂高岳山荘 穂高岳山荘より奥穂高岳へ向かう岩場を望む
 穂高岳山荘より奥穂高岳へ向かう岩場は、登りと下りの登山者であちこち渋滞している。9時50分我々もその列の中へと進んだ。毎回ここに来ると思うのだが、雪慣れしていないアイゼンワークの非常に悪いパーティに遭遇する。出来るだけ真下をさけて登る。
 
奥穂高岳へ向かう途中の急な斜面                  奥穂高岳山頂にて
 ガスの中、穂高岳山荘より約1時間、10時50分に奥穂高岳に到着、視界もあまりきかないため、山頂で写真を撮って早々に下山することとした。下山時には、要所要所岩場で念のためザイルを出した。
 穂高岳山荘の手前雪壁の途中、数メートル下にコンティニュアスでつながれた二名のパーティの内、上にいた方の人がスリップ、同じパーティの下の人を巻き込んで二人ともども斜面を落下、一瞬の出来ごとであった。運よく下部のネットに引っかかった。同じグループのメンバーが救出「九死に一生を得た」とは、このような事であろう。
 
ネットに引っかかり命拾い(よかったよかった)        慎重に岩場を下山(後方穂高岳山荘)
  コンティニュアスで行動する場合で、一人がスリップしたとき止められないような場所は、どちらかが確保して行動すべきであろう。今回二人が滑落した付近は、一般下降ルートよりやや谷川で傾斜が強く見ただけでは分からないが雪の下がややバーンぎみで、アイゼンは良く効く状態であった。この出来事の後、周りの人たちがより慎重になり、登りと下りの人間が入り乱れ大渋滞となり、穂高岳山荘へ着くまでかなりの時間を要し12時40分着。穂高岳山荘からの下りザイテングラートは雪がくさり、足跡だらけの斜面をてくてくと下った。涸沢ヒュッテでは、ややしぐれ模様であったため売店裏の軒下をかりて、恒例のミニ宴会、その後テントで夕食、またこれがもう一つの山での楽しみで、体を使っているので酒がうまい。
 
涸沢ヒュッテ売店の裏手に陣取り乾杯           4日 テントで夕食前の乾杯
 5日 毛利・東滝パーティは、涸沢→北穂高沢→北穂高岳(往復)赤澤・岡村眞由美・岡村繁雄パーティは、涸沢→北穂高岳東稜→北穂高岳→北穂高沢→涸沢へと望んだ。
 
テン場横に着陸するへり                   前穂北尾根を望む
 昨日は、気温が低めだった事から早朝斜面がバーンしていて、この北穂高沢でスリップ事故が有り数人が巻き込まれ、ヘリで搬送されたとのことであった。
 
ザイティングラードに向かうパーティ
 
ザイティングラードを望む                          北穂沢より涸沢ヒュッテとテン場を振返る
 
北穂沢を望む
 
北穂沢より前方、北穂高岳東稜へ向かう            北穂高岳東稜への稜線まじかの急登
 北穂高沢の途中から北穂高岳東稜へとトラバースし先行パーティのトレースをたどって急な傾斜を陵線へと向かった 

 北穂高岳東稜より槍ケ岳、遠くは、白馬岳も望む

 天候がよく最高の登山日和となった。北穂高岳東稜に出ると槍ケ岳、遠くは、白馬岳も望めた。雪陵を進むと、核心部のゴジラの背である。 

 
北穂高岳東稜前半のリッジ、後方前穂北尾          ゴジラの背核心部と前方北穂高岳山頂

北穂高岳東稜トラバース                  北穂高岳東稜、ゴジラの背
 
ゴジラの背核心部                      東稜のコルより核心部通過後の下降を望む
 快晴無風でトレースもあり雪もまだ安定している為、ザイルも必要ない状況であったが念のためザイルを使用して確保、見た目ほど難しくない快適な好条件のルンルン縦走。最後の急な斜面もトレースが階段状にありなんなく通過。 
 
北穂山荘への急登を行く先行パーティー              北穂高岳東稜より北穂高岳山荘まじか
 
北穂高小屋にて                    北穂高小屋直下のコル
 北穂高岳山頂では、毛利・東滝パーティが迎えてくれ小休止後記念写真撮影。天候に恵まれ、最高のコンディションで素晴らしい景色を満喫でき、一同大満足。今日は、涸沢よりテント撤収し下山予定である為、早々に北穂沢を下山。
 
涸沢テント場撤収後の記念写真
 
涸沢直下の雪渓                           後方穂高
 テント撤収12時50分出発。14時40分横尾到着、ゆっくりと休憩後16時発、徳沢に17時着、テント設営、何度来ても快適なテントサイトである。屋外で、ジョッキで飲む生ビールは最高。 
 
徳沢園生ビールで乾杯
 6日 早朝徳沢を出発、山の上とはまた違ったさわやかな空気の中、大きな深呼吸を何度もしながらこの素晴らしいロケーションを見ながら歩けることの幸せをかみしめながら上高地を目指した。

早朝、徳沢テント場と明神、前穂を望む              すがすがしい歩道を上高地へ
 
明神小屋付近にて                      上高地近く
 
上高地アルペンホテル                     上高地アルペンホテルのベンチにて
 上高地で預けた荷物を受け取り、上高地アルペンホテルで入浴(午前中7:00~10:30 午後12:00~14:30入浴可)早朝から開いているので助かる。今回の穂高は、積雪がやや多かったが天候もまずまずで各自の体力に合った山行を満喫することが出来たと思う。みなさんお疲れさまでした 。
  Reported by S.Okamuray   Photo presented by S.Okamura