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ポントレレジーナのガイド協力で、吉村さんの英語力でガイド登山の交渉を行ってもらい、吉村、赤澤、岡村眞由美パーティーは、ガイド1名、山小屋1泊工程でピッツ・モルテラッチ〔3,751m〕、私は単独でガイドと山小屋2泊工程で、ピッツ・ベルニナ〔4,048m〕を目指すこととなった。
8月5日
サンモリッツよりポントレレジーナへ列車で移動。 ピッツ・ベルニナの出発地点となるロゼッチグレチャーへの馬車乗り場が、駅のすぐそばにある。 片道大人1名CHF 20、数人相乗りで9時10分出発、ゆっくりとしたスピードでゆるい上り坂を馬車に揺られてロゼッチグレチャーに向かった。 約1時間20分かけて到着。

ポントレジナ駅(Pontresina)                     馬車

ポントレジナ駅近くの馬車乗り場           ゆるい上り坂を馬車で行く

ロゼッチグレチャー馬車乗り場               チェルヴァ小屋への登山道にて

ピッツ・ベルニナの白い稜線と左にチェルヴァ小屋を望む(望遠)

快晴でハイキングにはうってつけの日和の中、ロゼッチグレチャーから掲示板を頼りに、チェルヴァ小屋を目指した。 2時間の工程のところを3時間かけ、途中持参のサンドイッチをかじりながらゆっくり景色を満喫しながら登って行った
 ピッツ・ベルリナのビアンコ稜の白い稜線が山小屋に近づくとすぐ目に飛び込んでくる。  

チェルヴァ小屋                         小屋前のテラス
山小屋に到着後、英語が苦手な私は、宿泊の諸注意もろもろ大まかにしか理解できなかったが何とか、寝床を確保することが出来た。 18時にガイドのGino(ジーノ)さんと合流。 夕食は、19時からでシチューとポテトの加工品で味は、まずくはなかったが……。
   
チェルヴァ小屋からピッツ・セルセン(Piz Scerscen)とチェルヴァ氷河を望む        山小屋の夕食
8月6日
2時過ぎ起床、朝食はヨーグルトと穀類を混ぜたべとっとしたものが出され、早朝のせいもあり喉を通すにもやや苦労し、3時20分真っ暗な中出発。 キャプランプを付けて山のすそのを登り下りして進むとゆるい雪壁となり途中でアイゼンを装着。6時頃太陽が昇ってきたころにコルに突き上げ雪のビアンコ稜が見えてきた。 ここでアイゼンを外して岩稜の縦走となった。 早朝の斜光線が周りの岩稜と山々を照らす中、快適な4級−から3級+程度の岩稜を忠実にたどり進んだ

ビアンコ稜下部の岩稜の縦走 6:31


6:43

 我々は、岩稜を忠実に詰めたが、ガイドレスのパーティーは、岩稜左の雪のトリースを進んだようである。7:00
ガイドレスの先行パーティーは、コルから岩稜の左を巻き雪のトレースをたどって進んでいったようである。 ガイドのジーノさんは、岩稜を末端まで忠実に詰めて最後懸垂で下降、そこからビアンコ稜の雪稜に取付いた。 このところの好天のせいだろう、ステップがはっきりあり問題なく進めた。 一部傾斜の緩い氷壁となっていたが、踏み跡が残っていたためここも問題なく進めた

岩稜末端の懸垂下降 7:11               この下でアイゼン装着

ビアンコ稜の雪稜

上部一部ワンピッチ程度が氷壁ぎみで、条件が悪ければアイスハーケンが必要になると感じた。 

              ビアンコ稜の上部雪稜、たまたまヘリが通過 8:24
 
ビアンコ稜の雪稜を振返る 8:49                  
 
ピッツ・ビアンコよりピッツ・ベルニナ山頂を望む 9:08
 
ピッツ・ビアンコよりピッツ・ベルニナ間の岩稜

ビアンコ稜の雪稜を通過したピークがピッツ・ビアンコとのことで、ここでアイゼンを外しリッチ沿いに懸垂を1・2度繰り返し山頂へ。
  
ピッツ・ビアンコ付近でのガイドのジーノ                ピッツ・ベルニナ山頂直下 前方山頂 9:38
山頂は、ほとんど風もなく好条件で、10時に到着小屋から6時間40分を要した。 数組のパーティーがマルコ・エ・ローザ小屋から登って来ていた。 山頂に置かれている、古いハンゴウに入れられたノートをジーノさんに探してもらう。 確かにあったが湿っていて状況も良くなかったため確認後、元の位置に戻しておいた。
 
ピッツ・ベルニナ山頂のノート               ピッツ・ベルニナ山頂
 
山頂にて                山頂よりビアンコ稜方向を望む                

 山頂よりピッツ・パリュとモルテアッチ氷河を望む

山頂より下山ルートを望む


ピッツ・ベルニナ山頂を振返る 
ピッツ・ベルニナ山頂で30分ほど休憩し今夜の宿であるマルコ・エ・ローザ小屋に下山開始、ルートは、比較的わかりやすく、多くの登山者が登って来ていた。 小屋に11時50分到着。
 
         マルコ・エ・ローザ小屋を望む                マルコ・エ・ローザ小屋
ディアウォレッツァのケーブル駅まで直接下山した場合4時間、ピッツ・パリュ〔3900m〕経由では、6時間とのことで、ジーノさんに明日の下山コースの選択を迫られた。 ピッツ・パリュ経由の方が、景色が素晴らしいとジーノさんに勧められたため、ついピッツ・パリュに行くと言ってしまったが、かなり疲れがたまっていたため内心だいじょうぶか、やや心配であった。

8月7日
マルコ・エ・ローザ小屋で、5時パンとコーヒーとお茶の簡単な朝食を取り5時50分出発。 朝あわてていたためテルモスを小屋に忘れてしまったが、予備の水筒に500cc 別に持っていたため問題なく過ごせた。 朝焼けの周りの山々が素晴らしく、シャッターを夢中で押しながら歩いていたら、「写真を撮るなら止まるので言ってくれと」注意されてしまった。

     ピッツ・ベルニナ〔4,049m〕とピッツ・モルテラッチ(Piz Morteratsch)〔3,751m

Crast Aguzza3,869m〕                前方 Fuorcla Bellauista 
7時55分ピッツ・パリュの手前のピーク(Piz Spinas〔3,823m〕)に到着。 ピッツ・パリュには3つのピークがあり、西のピーク〔3,823m〕に8時30分到着、中央のピーク〔3,900m〕に8時50分到着、最後に東のピーク〔3,882m〕を経由して下山。
 
ピッツ・パリュ山頂にて ピッツ・パリュ山頂よりペルス氷河を望む右上に小さく、ディアヴォレッツァのロープ駅が見える

ピッツ・パリュ 中央のピークから西のピークを望む 
山頂を後にして氷河を下ったのだが、暖かいせいかクレパスが大きく開いており、その間を縫うように通過する。 トレースはあるものの数か所大回りして通過、その日の状況にもよるのだろうが登りより日々変化する氷河の通過の方が神経を使う。

 氷河を下る                    クレパスの中を通過

 クレパスの横を通過
氷河を抜けアイゼンを脱着したところで、約5時間経過10時50分に出発。 ロープウェイ乗場に到着したのが11時50分頃で、ちょうど小屋から6時間行程で予定通り到着することができた。
 
ディアヴォレッツァ                   ディアヴォレッツァの前のテラス

 ディアヴォレッツァ展望より

ディアヴォレッツァで入手したパンフレットより 
 
ピッツ・ベルニナのガイド料金              ガイド協会の営業時間

パンフレットより 
ガイドのジーノさん53歳、温和な性格でいろいろと気を使ってくれて、英語な不得手な私となんとかコミニュケーションを取るように努力してくれ、無事目的のピッツ・ベルニナとついでにピッツ・パリュの山頂も踏め感謝したい。 
  Reported by S.Okamura   Photo presented by S.Okamura