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当初マッターホルンの登攀は、28日・29日の予定であったが、天気予報で28日は雨模様、4000m以上は雪とのことで、ガイドの判断により29日・30日に変更となる。 急きょ27日の夕刻にアクティブマウンテンの方でヘルンリ小屋の宿泊調整を行ってもらい、20時頃に変更完了の連絡。28日は休養日となった。 ヘルンリ小屋のキャンセル変更料としてガイドを含み二人でCHF 200 かかったが、開山150周年でかなり込んでいる状況でも、天候に応じて変更調整をしてもらえるのは助かる。
7月29日〜30日 マッターホルン(4,478m)

7月29日
天気予報では午前中は曇り、午後から雨模様であったため、朝一番にツェルマットよりロープウェイでシュヴァルツゼー・パラダイス駅へ。  このところの疲れもあったのでヘルンリ小屋まで2時間行程を、周りの風景を楽しみながら3時間かけてゆっくりと登った。

     シュヴァルツゼー・パラダイス駅を出発


前方、マッターホルン

ヘルンリ小屋直下

小屋に着く直前から小雨が降り出したが、我々はほとんど濡れずに昼頃にヘルンリ小屋に到着、食堂でくつろいだ。 その後雨がひどくなったが、その中を赤澤さんと吉村さんがヘルンリ小屋まで登って来たのにはびっくり、元気がいい中高年である。 小一時間くつろいで、二人が下山するころには、明日のマッターホルンの登攀は大丈夫かと心配になるほど、雨が本降りとなっていた。

              ヘルンリ小屋の食堂にて               ヘルンリ小屋の前にて両名を見送る

ヘルンリ小屋の夕食&朝食                 二段ベット

 7月30日
4時から簡単なパンとコーヒ等で朝食を済ませ、5時出発との打ち合わせであった。 私は、早めに食事を済ませトイレに行って玄関に5時前に行くと、すでに他のメンバーは、出発しており、ガイドのウルフさんに「何していたんだ ! 」(恐らくそういわれたと思うが。)と、いきなり小言をくらい、出だしからあたふたしてしまった。 暗い中キャップランプを頼りにヘルンリ小屋を5時出発。

夜明け前550分、この雲の下がツェルマット
ヘルンリ稜の取り付きに前のパーティーが順番待ちで並んでいる中、優先的に先頭に入り登り始めることが出来た。 後で聞いた話であるがガイドのリーダ的存在らしく、登攀中に数人のガイドに何かしら指示をしたり、アドバイスをしているようであった。 3級から4級−の岩稜を、とにかく出だしは速いペースで、黙々と登って行った。 周りが少しずつ明るくなると、青空も出てきてなかなか快適な気候となった。

65分                        628

646                       75

ソルベイユ小屋 710                    717

上部のフィックスロープの登攀では、ロープに頼りすぎるとすぐに手がパンパンになってしまうので、なるべくロープに頼らずに登るようにと、テスト登山の時にアドバイスがあったのを思い出しながら登った。

ヘルンリ稜のライト718                   719      
    
752                        835    
   
833     上部の岩場での太いフィックスロープ      842
      マッターホルン山頂にて

岩登りの連続で途中3回ほど数分休憩、私は4時間20分で、真由美は、4時間50分で登頂することができた。眞由美(妻)と二人で写真を撮りたかったのだが、あまり山頂には、留まっていられないようで降ろされてしまった。
 
 
マッターホルン山頂より(望遠)奥の雪のピーク モンブランその右手前黒い小さなピークがグランドジョラス
 
  マッターホルン山頂よりダン・ブランシュを望む         
 
ガイドのウォルフィーと      マッターホルンの取付             へルンリ小屋        
 
ガイドのウォルフィーとウルフ        モンテローザ左の岩峰がテスト登山で登ったリッフェルホルン
 
               ヘルンリ小屋からの下山途中後方マッターホルン
 
シュワルツゼン駅のすぐ近くにあるSchwarz
今回、スイス山行の大きな目標であったマッターホルンの夫婦での登頂に成功しほっとした。 登りの少し技術を必要とするところは、ピンがあったりフィクスロープが設置してあったりで技術的には難しいところはなかった。 私と赤澤さん、吉村さんは7月9日〜12日で北海道の表大雪・十勝連峰を山中3泊で4日間、一日平均約10時間前後の行程を縦走し、その10日後にスイスに入り、疲れが取れきってない状況でのマッターホルンの登攀に望んだため、山頂近くでは、しんどかったというのが率直な感想である。 我々が帰国した直後8月11日、日本人二名がマッターホルンで遭難したとのニュースが飛び込んできた。 高所登山は、基本的な体力と技術があっても、標高が高くなればなるほど、天候の状況に左右されるため、天候の見極めが最も重要になる。 その点、費用が掛かるが、現地を熟知したガイドに全権を任せることにより安全な登山を行うことができ、それなりの対価は、必要だと感じた。 最後にヘルンリ小屋で登頂したものだけに渡される、ガイドのサインがある登頂証明書と記念バッチを受け取った。 

マッターホルン登頂証明書                        記念バッチ              

 アクティブマウンテンガイド(Active Mountain)価格表(平成27年夏)

当初の計画では、ブライトホルン・ハーフトラバースを予定していたが、高所は風が強いとのことで、テスト登山は、リッフェルホルンの登攀となった。 尚、マッターホルン登頂成功報酬として1人にCFU100 のチップを支払うのが慣例らしい。 なにわともあれ、夫婦でマッターホルンに登頂できた事が何よりだった。 
  Reported by S.Okamura   Photo presented by S.Okamura