本文へスキップ
2014年 7月26日〜8月12日に、フランスのシャモニーに一週間、その後グリンデルワルトに一週間滞在予定で、アイガー、ダンブランシュのサミットを目標にしたが天候不順でいずれの山小屋にも入れず予定を大幅に変更グリンデルワルトより一番左に見ることができるヴェッターホルン (3701m)を目指した。
 
メインリッヒェンからクライネ・シャイテックのハイキングコースよりヴェッターホルンを望む、左のピークが山頂(望遠)

 8月5日

グリンデルワルトよりバスで約30分、Abzweigung Glecksteinで下車。
 
Abzweigung Glecksteinバス停横の案内板           出発からすぐに雪渓の末端を横断
  
登山道より雲の切れ間からアイガー北壁を望む        登山道よりグリンデルワルトの町並

天候は曇り、グレックステイン小屋までは、途中グリンデルワルト上氷河の下流の底が見えないほど深い谷沿いを眼下にし、徐々に高度を上げていく。
 
グレックステイン小屋への登り
 
登山道を横切る小滝の下をくぐって進む 登山道を横切るサンショウウオに遭遇

後半途中から小雨が降り出した。左前方に、グレックステイン小屋が見えてからが長い。バス停を出て、コースタイム2時間40分のところを2時間20分で、やや早く山小屋に到着、その後雨が本降りとなり運が良かった。
 
前方上部に小さく小屋が見えてきた                グレックステイン小屋

夕刻に、アイベックスの群れが小屋の前に集まり石垣の上をかっぽ。登山者の目を楽しませてくれた。
 
石垣をかっぽするアイベックス                山小屋の前のアイベックス
 
ビールで乾杯                      グレックステイン小屋の食堂

グレックステイン小屋では、19時から夕食であったため時間を持て余し、結局ビールを飲んで時間つぶすこととなった。食堂では、30名ほどの登山者が集まっている。スープとジャガイモを調理したものが順番に出され結構おいしく、結局割高の赤ワインをボトルで別に注文。

夕食風                        最初のスープ&パン

今夜の寝床                         山小屋の二階窓よりのテラス

 8月6日

早朝2時起床、朝食は、希望すれば3時より食べることができ、パンと複数の飲み物が選べる。 朝食後、山小屋を3時30分に出発。真っ暗な中、3人連れの先行パーティのヘットランプを頼りに傾斜の緩い岩稜を登って行った。 徐々に明るくなり雪渓の末端に到着、ここでアイゼンを付けてゆるい傾斜の斜面をトラバース気味に進み、再び岩稜に出る。 このあたりで、ヘットランプも不要となり簡単な岩稜をひたすら登っていく。しだいにあたりが明るくなり振り返ると、左にシュレックホルン、右には、メンヒとアイガーを望め、そのパノラマに圧倒さ れる。 現実は、写真をゆっくり撮っているゆとりもなく山頂目指してひたすら登るのみ。 2から3級程度で2か所の乗越でザイルをだし確保、その後は、コンティニュアスでそのまま登る。
 
              シュレックホルンのアルペングリューエン(4078 m)
 
左がメンヒ(4099 m)右がアイガー(3970 m)
 
フィーシャーホルン                     
 
途中からやや傾斜が強くなる (高度感は、あるが見た目ほど難しくない)
 
太陽が昇りシュレックホルンからアイガーの山々の絶景
 
コル手前の岩稜
 
コルの手前アイゼンを装着                   コルで出会った親子

先行パーティを追って岩稜をつめ、コル手前で、またアイゼンを付け7時50分やっとコルに出た。 そこで、驚いたことに「えー・うそやろー・こんなところに子供が・・・・。」と、つい心の中で叫んでしまった。 やっとの思いでコルに出た目の前でいきなり、山小屋にいた親子に遭遇、子供は、どう見ても小学生ぐらいの感じで、休憩中、この後下山するようである。
 
 
コルから雪陵を行く先行パーティ               
 
コルからの登り後方にシュレックホルン             山頂の近くの雪と氷
 
雪稜のトレースを追って進み山頂近くになると傾斜が強くなり、岩と雪と氷の登りとなった。
 
山頂より最後の登りの風景

ゆるい傾斜の雪稜をつめ8時30分山頂。山小屋を出てちょうど5時間で到着。 3701mのヴェッターホルン山頂は、晴れでほとんど風もなくすこぶる快適な山頂であった。
 
山頂にて

山頂で記念写真を撮って早々に8時50分下山開始。 山頂を踏んだ後これからが、登山の第二幕である。無事に下山して、山登りは完結する。
 
下山時の懸垂下降
            コル直下の下り            雪渓のトラバース(後方アイガー) 
 
右前方アイガーが望める
 
後方の岩峰の奥が山頂
 
グレックステイン小屋(1350分到着)           グリンデルワルト上氷河を望む下山道 
 
                                      前方、グリンデルワルトの街並み
 
左アイガー北壁とグリンデルワルトの街並み
 
下りの登山道                     Abzweigung Glecksteinのバス停が見えてきた
 6日の行動時間は、山小屋よりヴェッターホルン山頂まで5時間、山小屋までの下山で5時間、Abzweigung Glecksteinのバス停まで2時間で、約12時間となった。 バス停に着いたときは、へとへとで、ビールが目の前にちらついた。 スイスの山小屋では、登山工程を考慮した時間に簡単ではあるが、朝食を出してもらえるのは、嬉しい。 ルートファイティングが難しいが、登攀のグレードは3級から一部4級−程度で難しくない。 登攀途中、周りの山々の風景が、日の出の光の具合によって刻々と変わっていった。 休憩時と行動中も、多くのシャッターを切った。 グリンデルワルトの店舗の日本人定員の話で、今年は、十数年ぶりに天候が悪いとのことで、結局4000m以上の山小屋は、一部を除いて開いてない状況の中、今回何とかヴェッターホルンの山頂を踏めたことは、幸運であった。
   Reported by S.Okamuray   Photo presented by S.Okamura